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虫歯を放置していたらどうなるの!?痛みが無ければ大丈夫?

虫歯を放置していたらどうなるの!?痛みが無ければ大丈夫?

お口の中に、今現在、虫歯はありませんか?

お食事中や、歯磨きの際に冷たい水をお口に含んだ時、『ズキっ!!』、『キーン』といった痛みを感じて、初めて虫歯を心配なさる方も、いらっしゃるのではないでしょうか。 お仕事や学校でお忙しいと、なかなか歯医者さんに行くことは難しいです。しかし、虫歯を放置した場合のリスクについて、今回はご紹介していきたいと思います。

虫歯とは

虫歯とは、医療用語ではう蝕(うしょく)と呼ばれる、お口の感染症の1つです。
お口の中の細菌と、食べ物に含まれる糖から作られる酸によって、歯が溶けることによって、色が黒く変色したり、穴があいてしまう状態です。これは、歯の表面が溶ける『脱灰(だっかい)』という作用によるものです。
虫に食べられて、穴があいたようなので、『虫歯』と呼ばれています。
虫歯は、症状のない初期の段階から、痛みや違和感を生じる段階など、進行度合いによって治療方法が異なっています。特に痛みや違和感がない初期の虫歯の場合には、定期健診に通っていない限り、虫歯に気が付かず、放置してしまい、いつの間にか症状が進行していきます。

こんな症状があったら虫歯に要注意!

では、虫歯になると、どのような症状が出るのでしょうか? 例えば、

・冷たいものがしみる。
・チョコレートなど甘いものを食べるとキーンとする感じがする。
・咬みあわせると違和感がある。
・うがいをした後、じんわり痛む
・痛くて何も手がつかない
・歯が大きく欠けている

などです。

虫歯の進行度について

虫歯には、進行具合によって分類があります。
歯科健診などで、歯科医師がお口を覗きながら、「左上6がC2、左上7がC1・・」と言っていたのを思い出す方もいらっしゃることでしょう。
虫歯は、C0からC4まで進行度によって分類があるのです。
ここでは、各進行度について、詳しくご説明いたします。
0から4まで、数字が大きくなると虫歯の進行も深刻になってきます。


C0:歯の最表面にあるエナメル質が一時的に脱灰したもの。
まだ、治療はせずに、唾液による再石灰化という自己修復が可能です。
症状は、ほとんどの場合、無症状です。

C1:歯の最表面にあるエナメル質内に、脱灰の範囲が限られたもの
症状は、C0同様に、ほとんどの場合、無症状です。

C2:虫歯による脱灰が、エナメル質の下にある象牙質まで進行したもの
症状は、冷たいものや甘いものといった刺激による痛みの発生があります。

C3:虫歯が、象牙質の下にある歯の神経まで進行した状態
症状は、夜間に眠れないほどの痛みがある、温かいものもしみるといった深刻な症状が出てきます。

C4:虫歯によって、歯がぼろぼろの状態です。根っこ部分しか残っていない、大きくかけた状態です。症状は、痛みを通り越して、安定しています。

虫歯は上記のように、進行具合によってさまざまな症状が出てきます。
特に、冷たいものによって痛みが発生する、咬みあわせるとズキズキ痛むといったC3段階の初期症状を放置していると、自然と痛みが無くなることがあります。これは虫歯が治ったわけではありません。 虫歯の菌による感染が進行し神経を圧迫していた状況から、感染がより周囲の組織に広がり圧が開放されたに過ぎないのです。 このような場合は、歯の周囲の歯肉に、膿が出るためのフィステルという小さな穴がポコッとできていることがあります。ここまでくると、虫歯が進行し、歯だけではなく、周囲の組織へ炎症が進んだ根尖性歯周炎が疑われます。

虫歯の治療について

では、できてしまった虫歯の治療方法についてご説明いたします。
前項では、虫歯の進行度についてご説明いたしました。
同様に、各進行に合わせた治療方法について解説いたします。

C0:まだ再石灰化が期待できるため、治療は必要ありません。フッ素配合の歯磨剤や、デンタルリンスの活用により十分修復が期待できます。

C1:虫歯を取り除き、詰め物を行います。詰める材質は、レジンによる処置が多く、歯の色と同様に仕上げることができます。

C2:象牙質まで虫歯が進行しているため、虫歯を取り除く際に、痛みや刺激があるため、局所麻酔を行うことが多いです。取り除いた大きさによって詰め物かかぶせ物による治療が行われます。その材質は、レジンによるものや、金属によるものが一般的です。部分的な詰め物は、インレー、歯全体へのかぶせ物はクラウンと呼ばれます。

C3:虫歯が神経まで到達しているため、神経を取り除く必要があります。治療の際には、局所麻酔を行い、ファイルやリーマと呼ばれる道具で、歯の根っこの中をお掃除していきます。治療により、神経を除去するため、歯は死んでしまいます。根っこの治療が終了した後に、コアと呼ばれる土台を作り、その上にかぶせ物を行うことが多いです。

C4:ここまでくると、治療方法は残念ながら抜歯が多くの場合、選択されるのが一般的です。抜けてしまった歯のスペースには、前後の歯を削ってブリッジと呼ばれるかぶせ物を行うか、入れ歯を入れるといった保険内の治療の他に、インプラントによる保険外治療も行うことができます。

治療にかかる回数や、各回の治療時間、費用は、虫歯が進行すればするほど多くなります。お忙しい人ほど、なかなか歯科医院には行けないものですが、気になる症状がある場合や、前回の歯科受診から期間が開いてしまった方は、早め早めに受診することが、治療回数や費用の節約に大切です。
虫歯を放置したらどうなるの?
虫歯には進行度によってC0~C4までの分類があることはお伝えしました。
では、虫歯をそのまま放置していたらどうなるのでしょうか?
それは、もちろん虫歯が進行していきます。C1から、C2の初期段階で痛みのない虫歯であっても、お口の中に虫歯があることにより、虫歯菌の活動が活発になり、他の歯へのリスクも高まります。
特に、C3の段階は激しい痛みを生じることが多いのですが、ピークを過ぎると神経が死んでしまうため、強い痛みはなくなります。そうなると、「あれ?治ったかも?」と思いたくなるお気持ちも、理解できるのですが、実際は、虫歯の炎症が歯の根っこの先まで進行し、顎の骨を溶かしている状態です。
虫歯は、C0の段階以外は、基本的に自然に治ることはできません。
虫歯を放置していれば、じわじわと進行し、歯を失うリスクが高まっていきます。
特に、歯に痛みや違和感と言った症状を感じてから歯科医院を受診される方が多いのですが、一般的に症状が出た時点では、すでにC2以上の段階まで虫歯が進行しています。
虫歯の治療は、進行度が進んでいればいるほど、削る量も多くなり、麻酔の注射が必要になったり、回数や時間が多くかかる、かぶせ物のお金がかかるといったように、悪いこと尽くしです。
早め早めの治療が肝心で、放置していて良いことは一つもありません。

まとめ

今回は虫歯について、その症状や原因・治療法などについて解説いたしました。
特に、虫歯を放置していたらどうなるか・・・ということについては、答えは1つ『進行した虫歯は自然には治らない』ということです。進行すればするほど、治療に必要な時間や費用も多くなります。症状のほとんどないC0やC1の段階で虫歯を治してしまうことが、お口の健康には大切です。C0やC1といった無症状の虫歯を発見するためには、定期検診が有効です。
ご自身のお口の健康を放置せずに、定期的に歯科医院を受診し、虫歯のチェックを行いましょう。

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